この地球(ホシ)への想いを乗せたお米、
いよいよ田んぼから、食卓へ。

5年後、10年後の兵庫の米作りのために
「田んぼと食卓をつなぐ」私たちができること
――全農パールライス×コープこうべ:座談会――

2025年9月26日、コープこうべの店舗にコ・ノ・ホ・シが初めて並びました。販売が行われたお店では、初日から多くの方がコ・ノ・ホ・シを求めて来店され、予想以上に多くの方に手に取っていただいたようです。「甘みがある」「冷やご飯にしてももちもちしていて美味しい」と組合員さんからも好評だそう。コ・ノ・ホ・シを店頭で初めて見て知った方も多く、ポップの文章を興味津々で読まれていました。

 

約10年もの歳月をかけて研究・開発に携わった人。気候変動に負けず美味しいお米をつくり続けたいと願った米農家の人。そんなコ・ノ・ホ・シに関わる人たちの想いも一緒に食卓に届けたいと奔走した人たちがいます。今回はそんな「届ける人たち」にフォーカスします。

日本全国の産地からお米を仕入れ、小売店に販売する全農パールライスと、小売業者として組合員さんたちにお米を届けるコープこうべ。どちらも、米農家さんたちが手塩にかけて育て上げたお米を、少しでも新鮮で美味しい状態のまま消費者の皆さんの食卓に届けたいと懸命に取り組んでいます。コ・ノ・ホ・シの「仕入れ」「販売」を担当した2人の藤原さん(偶然、同姓のお二人!)に、お米を取り巻く環境の変化やコ・ノ・ホ・シへの想いをお聞きしました。

全農パールライス 藤原 千鶴さん(写真右)
生活協同組合コープこうべ 藤原 規世さん(写真左)

今のまま米作りは続けていけるのかーー?
「仕入れ」の立場として感じていた危機感

パールライス・藤原さん:兵庫県産米を取り扱っているのですが、県内ではここ10年ほど、夏の暑さによって「乳白米が増えた」という声を聞くことがかなり増えました。いくら手をかけて大切に育てても夏の暑さのせいで、お米の品質が低下したり収量が減ったりして、米農家さんの手取りも減る一方。その上、高齢化も進んでいて、日陰のない田んぼでご高齢の米農家さんが作業するのはどれだけ大変か……。10年前と気候がまったく違うのに、10年前の品種をそのまま育てられるのか?消費者の皆さんに安定してお米を届けられるのか?という懸念を強く感じていました。

 

そんな中、新たに開発された“暑さに強い”兵庫オリジナルのお米であるコ・ノ・ホ・シが今年から本格的に栽培・収穫されることに!私たちもかなり期待感を持っていて、今後さらに増えていけば良いなと思っています。

安心・安全な食生活をお届けしたい。
「販売」の立場としてもコ・ノ・ホ・シに期待!

コープこうべ・藤原さん:コープこうべは「健康配慮」「おいしさ」の両面を実現するという方針のもと、組合員の皆さんに食品をお届けしています。コープこうべのオリジナル商品「フードプラン」に込める想いも、その真ん中にあるのは「作る人も、食べる人も、その周りの自然環境も含めて健全で幸せであること」。私たちは“この地球(ホシ)のことを想って生まれた”コ・ノ・ホ・シに共感し、今年度の新米の販売に手を挙げました。

 

「健康配慮」という点では、主食であるお米はバランスの良い食生活の基本です。だからこそ暑さによる品質低下や収量減の心配を軽減できるコ・ノ・ホ・シは、組合員皆さんの安全・安心な食生活につながると考えています。

持続可能な米作りのために、
「つくる人」「食べる人」の架け橋でありたい

パールライス・藤原さん:今後、コ・ノ・ホ・シのように現代の気候に合った品種をつくって食べるというサイクルは、ますます大切になってくると思います。実際に今年は「何年に一度の暑さ」という言葉を毎日のようにニュースで耳にしましたし、梅雨明けがかなり早く水不足の懸念もありました。それでもコ・ノ・ホ・シは従来の品種より影響が少なかったと聞いています。生産者にとっては気候変動によるお米への悪影響の心配が少なくなる、そして消費者にとっては安定供給につながる。お米を取り巻く環境に不安感が増している中、大きな安心につながるのではないでしょうか。

 

コープこうべ・藤原さん:一方で価格をどう設定するか、は非常に悩ましいところ。私自身も一人の消費者として安ければ嬉しいですが、生産現場ではトラクターを動かす燃料代などコストがかなり上がっていて、これまでと同じ価格のままではとても続けられないという声もありますよね。若い世代が米作りをしたいと思える収入になるような価格設定も、持続可能な農業のあり方という点では必要だと思います。

 

パールライス・藤原さん:本当にそう思います。経費を差し引くと赤字になってしまうと話される米農家さんもいらっしゃる中で、5年後も10年後もお米を作っていただける価格を探っていかないといけないなと思っています。

 

コープこうべ・藤原さん:そのためには消費者の方々にお米作りの実情をもっと知っていただく必要もあると思います。どれだけのご苦労をされて、美味しいお米を作ってくださっているのか。私たちが「作る人」と「食べる人」の架け橋となり、お互いにとって持続可能な「食」のつながりをつくっていけたらいいな、と思います。