いよいよ田んぼを出発!
多くの人の手を経て、籾(もみ)から白米へ。

約10年の年月をかけて生まれた、兵庫県オリジナルの新しいお米「コ・ノ・ホ・シ」。
7月の出穂から“記録的な猛暑”を耐え抜き、9月中旬に無事に収穫の日を迎えました。
稲刈りが行われた田んぼから店頭まで、コ・ノ・ホ・シが歩んだ旅の様子をお届けします。

籾の8〜9割が茶色くなったら
収穫の時期が来たよ、のサイン。

出穂から約40〜45日ほど経つと籾(もみ)が熟して膨らみ、色も黄緑色から美しい黄金色に変わってきます。穂についた籾の8〜9割が黄金色になったら稲刈りのタイミング!早すぎると収穫量が少なくなり、遅すぎると収穫量は増えるもの米の品質が下がると言われていて、日程の見極めは米農家さんの最後の腕の見せ所です。お米だけでなく天候も重要なポイント。稲穂や地面が乾いた状態で収穫できるよう、天気予報とにらめっこしながら稲刈り日を見極めるそうです。

よく晴れた9月16日、赤穂市の田んぼでコ・ノ・ホ・シの稲刈りが行われました。コ・ノ・ホ・シは稲穂の上に葉が出るタイプ。暑い夏には葉が日傘代わりになって、厳しい日差しから稲穂を守ってくれました。

 

稲刈り当日はコンバインの出番。一筆書きのようにきれいに刈り取っていきます。稲はコンバインの中で籾(もみ)と茎・葉に分けられるのですが、細断された茎・葉は再び田んぼの中にすき込まれて翌年のコ・ノ・ホ・シが育つ栄養分として活用されます。

田んぼの端からきれいに刈り取っていきます。コンバインの後ろから出てくるのは、細断された茎や葉。

【秋の田んぼと生き物たち】

田植えを行った初夏から夏にかけて田んぼで暮らしていた生き物も、少しずつ変化。小さなオタマジャクシや陸に上がったばかりのカエルは、立派な大きさに成長していました。賢いツバメたちはコンバインの上を群れ飛び、茎や葉と一緒に舞い上がる虫たちをキャッチ!上空にはトンビの姿も。田んぼに隠れ住む小動物を狙っているのかもしれません。コ・ノ・ホ・シの周辺には、いつも生き物たちの“つながり”がありました。

立派に成長したカエルは冬眠の準備中。春になって再び田んぼに水が張られると、卵を産みに帰って来ます。コンバインの上にはツバメの群れが。たっぷり栄養を蓄えて、温暖な国に渡ります。

籾(もみ)から玄米に、玄米から白米に。

収穫された籾(もみ)はすぐに乾燥調整機に入れられ、温風や熱風で乾かされます。そのまま置いておくと蒸れたりカビが発生したりして品質が低下してしまうため、その日のうちに乾燥!が鉄則です。水分量が15%程度になるまで乾かした後は、1日置いて冷まし、籾殻(もみがら)を剥く「籾摺り(もみすり)」が行われます。その後コ・ノ・ホ・シはとうとう米農家さんの手を離れ、各地域のJAで等級検査を受けてから小売業者へと届けられます。

籾殻(もみがら)が付いた状態(写真左)から、籾摺り(もみすり)を行い玄米に(写真右)。ふるいにかけて虫食いや小さすぎる粒を取り除き等級検査を受けます。2025年は記録的な暑さでしたが、コ・ノ・ホ・シは乳白米が少なく、他品種よりも1等級の割合が高かったそうです。

 

小売業者の精米センターに到着した玄米は、細かい網目を通したり、風を当てたりしてホコリ・ワラ・小石などを取り除き、精米が行われます。この時点で変色しているお米なども丁寧に取り除き、コ・ノ・ホ・シは真っ白の状態に。

玄米はいくつもの選別機を通って、精米機へ。ここで真っ白に磨かれていきます。

ぴかぴかの精白米になったコ・ノ・ホ・シ。袋に詰められ、いよいよ店頭へと旅立ちます。

 

出来上がった精白米を無洗機にかけると「無洗米」になります。実は無洗機の中で大切な役割を果たしているのが、米の中心に近い部分に含まれる粘着性の強い“ぬか”。この粘着性の強い“ぬか”と一緒に機械を回すと、精白米の表面にある“ぬか”がくっついて剥がされ、無洗米が出来上がるという仕組み。この工程で剥がされた“ぬか”は「米の精」と呼ばれ、再び肥料や飼料として活用されます。

 

お米を、お米の力で磨く。茎や葉など使わない部分は、翌年の米づくりに活かす。この地球(ほし)を守る知恵や技術が磨き上げたコ・ノ・ホ・シ、ついに店頭に到着です。

9月末から10月上旬にかけて、およそ50トン分のコ・ノ・ホ・シが店頭に並びました。